複数のAIモデルで経営戦略をレビューするという考え方
経営戦略を考えるとき、AIチャットに相談する人は増えています。手軽でスピーディーなのは大きな利点ですが、1つのAIだけに頼ることにはいくつかの限界もあります。ここでは、複数のAIモデルに相互レビューをさせるという考え方を紹介します。
単一のAIに頼ることの限界
1つのAIモデルに戦略案を書かせると、そのモデル特有の「得意な論点」や「見落としやすい観点」がそのまま出力に反映されます。例えば、あるモデルはコスト面の分析に強い一方で、競合環境への言及が手薄になる、といった偏りが起こり得ます。1つの意見だけを見ていると、こうした偏りに気づきにくいという問題があります。
複数のAIが互いをレビューする仕組み
これに対して、複数の異なるAIモデルにそれぞれ独立して草案を作らせ、互いの案をレビューさせるという方法があります。MLP 戦略カウンシルでは、異なる視点のAIが、それぞれ異なる役割を与えられて戦略の草案を作成します。その後、Response A/B/Cとして互いの草案を採点・ランク付けし合うことで、各モデルの見落としを補い合います。
議長AIによる統合と、関係者による反論
相互レビューのあと、議長役のAIが各案の良い点を統合した案をまとめます。しかしここで終わりではありません。CFOや営業部長、審査員など、実際の意思決定に関わる関係者の役割をAIに演じさせ、統合案に反論させます。これによって、「社内の会議で初めて指摘される」という事態を、ある程度事前に防ぐことができます。
数値は入力したものだけを使う
戦略には数値計画がつきものですが、AIが根拠のない数字を作り出してしまうことには注意が必要です。信頼できる使い方としては、グラフなどの数値表現は、自分が入力した数字だけから作成させ、それが試算値であることを明記することです。
それでも人の判断は欠かせない
複数のAIによる相互レビューや反論の仕組みは、見落としを減らすための有効な手段です。しかし、最終的にどの戦略を採用するか、どのリスクを取るかという判断は、常に人が行う必要があります。AIが作った戦略案や反論対応表は、意思決定を助ける材料として活用し、自分の目で内容を確認したうえで活用することが大切です。